学園パラレル・私立オリンポス学園
〜ギリシャ神話で青春しようぜ!


♪キ〜ンコ〜ンカ〜ンコ〜――ン…♪(チャイム音) 
 
ゼウス先生「――教科書12ページを開け。えー今日から太宰治の『走れメロス』に入る。では、まず最初の段落を……麗戸(れと)!麗戸アポロン!読んでみろ。」 
 
アポロン「はい。」 
 
 
 
アポロン「――『メロスは激怒した。必ず、かの邪智暴虐の王を除かなければならぬと決意し…』」 
 
 パサッ。←ヘルメスから紙飛行機が飛んでくる。 
 
アポロン「
『「王様は、人を殺します。」、「なぜ殺すのだ。」』(?――紙飛行機?)」 
 
ヘルメス
(中!開いて!) 
 
アポロン「…??――
『「悪心を抱いている、というのですが、誰もそんな、悪心を持っては居りませぬ。」、「たくさんの人を殺したのか。」…』……」 
 
 ガサガサッ 
 
 
 
アポロン「……
『「おどろいた。国王は乱心か?」』「今日、放課後何して遊ぶ?」だと?」 
 
ゼウス先生「ん?どこ読んでる?」 
 
アポロン「…あ!いえ、何でもありません!、
『「いいえ、乱心ではございませぬ。…』
お前っ!授業中だぞ!?変な手紙をよこすな!) 
 

ディオニー(…なになに?今日の放課後の話?俺も入れろよ!また土手で缶蹴りやりたいなー!昨日やって楽しかったし!) 
 
アポロン
(お前は誘ってないだろ!?) 
 
ヘルメス(ええー缶蹴り…?僕イヤです。どうせまたアレスがしょっぱなから川の対岸まで缶をけっ飛ばしたり、アポロンがどこからともなく馬に乗って現れて、やぶさめの要領で缶を見事射抜いたり、反則ギリギリの事されますよ) 
 
 
アポロン「そんなん言うなら、お前だってホウ酸団子ばらまいて、食ったアレスを死に至らしめようとしたり!!
あらかじめ缶にアロンアルファを塗っておいて、缶が永遠に私のクツから離れないようにしただろうが!! 
 
――…って、あっ。」
 
 
 
ゼウス先生
「…麗戸。廊下に立ってろ。」 
 
アポロン「ち、違います先生!この不良どもが私の邪魔をしてきたんです!私は悪くありません!」 
 
ヘルメス「はあ!?あなた、親友に罪をなすりつける気ですか!?」 
 
アポロン「親友も何も、我々はおととい入学式で会ったばかりの赤の他人だろうが!き、昨日の缶蹴りにも私は無理やり付き合わされただけで!」 
 
ヘルメス「なんですって!?」 
 
 
アレス
「ZZZ…う〜ん、俺もう食べられないよお〜…むにゃむにゃ」 
 
ディオニー
「あーまじジャンプ面白れぇ。」 
 
 
ゼウス先生
「というかその辺の席の奴ら、全体的に廊下に立ってろ。」 
 
・・・・・・・・・・・・・・・・ 
(廊下。) 
 
アポロン「――はあ…。お前、舞谷(まいや)ヘルメス、とか言ったな。どうして私の所にふざけた手紙を飛ばしてきたのだ?」 
 
ヘルメス「だって、僕とあなたは4席も離れてるんですよ。迅速に手紙を回すにはこうするしかないじゃないですか。」 
 
アポロン「お前……そんなに私と話したいのか。」 
 
ヘルメス「べ、別にそういうわけではないですけど。でも、貴方はなんか面白そうだな、って入学式の時から…」 
 
アポロン「しかし『紙飛行機』は一方的で非合理的な連絡手段だな。」 
 
ヘルメス「…すみません」 
 
 
アポロン
「だから次からは糸電話で話そう。――それでいいな?」 
 
ヘルメス「!!…そうと決まれば、さっそく購買で紙コップ二つ貰って来ましょう!」 
 
アポロン「ちょッ…私たちは今、立たされているんだが……
うわっ腕を引っ張るなって!おいっ!ヘルメスーーーーッ!!」 
 
 
 
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 
アポロン「――さて。先ほど帰って来た中間テストについてだが。というか正確にはアレス、貴様の赤点だらけのテストについてだが。 
…単刀直入に聞く。 
 
歴史のテストで、
『本能寺の変が起こった年は?』――この問題に対して『いちごパンツ』と解答したのは何故だ。」
 
 
 
アレス「だって…、だって、ディオニュソスが、『本能寺は「いちごパンツ(=1582年)」って語呂合わせで覚えろ』、って言ってたんだもん…!俺、ちゃんとそれは覚えてたんだぞ!でも、でも肝心のいちごパンツが何を意味するのか分からなくなって…」 
 
ディオニー「それでとりあえず回答欄に『いちごパンツ』を書いた、と。ばっかだなあー!」 
 
ヘルメス「そう言う貴方もひどいですよ。 
 
『平安時代、平安京において、朱雀大路の最も南側にあった建造物は何か。』 
 
――
『マクドナルド 平安京店』(答:羅城門)
 
 
 
アレス「ワハハ、お前面白いな!」 
 
ディオニー「サンキュー!お前もな!アハハ」 
 
アポロン「バカ者――ッ!!笑い事ではないわーーっ!!貴様らが赤点とったせいで、この学年首席・アポロンと、次席・ヘルメスが貴様らの勉強を面倒みさせられる羽目になったのだぞーーーっ!!少しは反省しろーーっ!!」 
 
ヘルメス「…貴方方が追試を見事合格するまで、夏休みは来ないと思ってください。」 
 
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 
 
アレス「っしゃあああーー!やっと追試も全部合格したぁああ!夏休みだぁあーーーーッ!!」 
 
ヘルメス「やれやれ…。ところでアポロン、夏休みはどういう予定?」 
 
アポロン「ん?そうだな、生徒会の雑務を済ませて、あとは弓道部の練習と、医学書も少し読んで、バイオリンの練習もやりたいし…」 
 
ヘルメス「いえ、そうじゃなくて。夏休み、何して遊びます?」 
 
アポロン「……。…すまん…、私は休日に友人と遊んだ経験が、ない。夏休みというと、友達とはどんな事をするものなのだ?」 
 

ヘルメス「あきれた…。夏休みに友達とする事と言えば、18度に設定したクーラーの中で、泊まりで夜通しバイオハザードやったり!猥談したりするものに決まってるでしょう!!」 
 
アポロン「そうなのか?――では、来るか?私の家に。」 
 
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 
(アポロン宅。) 
 
ヘルメス「……まさかあなたの家がこんな豪邸だとは知りませんでした…
お風呂はライオンの口からお湯がジャバジャバ出てるし、テーブルはものすごく長いヤツだし…綺麗な双子のお姉さんもいるし…」 
 
アレス「すげーー!お前のベッド、トランポリンみたいにフカフカだ〜!!ワーーイ!」 
 
アポロン「ちょっ…ベッドの上で跳ねるな!小学生かお前は!!」 
 
 
ヘルメス「――さて。じゃあさっそく……出してもらいましょうか。」 
 
アポロン「出すって…何を?」 
 
ヘルメス「何って。
エロ本に決まってるでしょう。あるんでしょ?『プレイボーイ』とか、『エロトピア』とか?」 
 
アポロン「…は、はあ!?」 
 
ディオニー「今すぐ吐かねーと
『アイツの姉ちゃん誰にでもヤらせるらしいぜ。』ってある事ない事吹聴すんぜ」 
 
アポロン「アホかお前!アルテミスは処女だ!!」 
 
 
ヘルメス「ベッドの下には無いですね…本棚か?」 
 
アポロン「お、おいっ!勝手に探るなっ!」 
 
アレス「…でも本棚は真面目な本ばっかりだな!『ファーブル昆虫記』に『プラトン全集』……
あれ?この『プラトン全集』、3巻だけ背表紙の色びみょうに違くね?」 
 
 
ヘルメス
「ややっ!?この本を押すと本棚が横にズレて奥に秘密の階段が!!」 
 
アポロン
「ウワーーー!!帰れ!!お前ら帰ってくれーーッ!!!」 
 
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 
 
――そんなある日の夏休み明け。 
 
ディオニー「みんな聞いて〜〜〜!おれ今度、全国演劇コンクールに出れることになったんだ!!
一人芝居で『走れメロス』やるんだ!」 
 
ヘルメス「すごいじゃないですか!」 
 
アレス「面白そうじゃん!頑張れよ!」 
 
 
アポロン「―― お前が『走れメロス』だと?無理に決まってる。」 
 
ディオニー「なんだと?」 
 
アポロン「いいか。『走れメロス』は古代ギリシアのピタゴラス教団がモデルになっているのだ。彼らが最も大切にしたのは『友情』。 
 
――しかし貴様ときたら
運動会で味方裏切って敵陣につくわ、肝だめし大会の時は私を置いて逃げ出すわ、まったく友達がいが無いだろうが。そんな奴が友情の芝居だと?笑わせるな。」 
 

ディオニー「…っ」 
 
アポロン「だいたい、演劇部に所属していながらなぜ独り芝居なのだ?さては、ハブられでもしたか貴様?このクラス委員長・アポロンが助けてやっても…」 
 
ディオニー「…うるっさい!何なんだよお前…!!俺はな、生まれた時から母ちゃん死んじゃってるし!バイトしながらじゃないと一人じゃ生活できないんだよ!他の演劇部のみんなとは練習時間合わないんだよっ!!」 
 
アポロン「あ…」 
 
ディオニー「いいよなお前は!大金持ちのお坊ちゃんでさ!!学校の送り迎えも、ダックスフンドかよってくらい長ーいリムジンでさ!!何入ってんだよあの胴体ん中!」 
 
アポロン「……あれは私特注の風呂付きリムジンで…」 
 
ディオニー「はあ!?風呂付きリムジン!?俺なんかびんぼーすぎて、水道はおろか下水道まで止められてんだぞ!!?それなのに…それなのに…うわぁああ〜〜〜ん!!」 
 
ヘルメス「あっ、待って、ディオニュソス!……あーあ、行っちゃった。どうするんですか。」 
 
アレス「追いかけろよ、アポロン。俺、バカだけどさ…今のは謝りに行った方がいいと思うんだ。」 
 
アポロン「…な、なぜ私が?絶対イヤだ。ふんっ!」 
 
ヘルメス「いくじなし!もーどうなっても知りませんよ、僕!」 
 
 
 
――そんな中、男子トイレでお酒のビンが発見される。 
もちろん、犯人はアポロンとケンカしてヤケ酒飲んだディオニュソスだった。 
 
ゼウス先生「トイレで酒を飲んだのは、ディオニュソス、お前だな?」 
 
ディオニー「……っ。」 
 
ゼウス先生「謹慎1カ月は免れないと思え。」 
 
ディオニー(ちくしょう…!!せっかく演劇コンクール本戦に出れるところだったのに…!!) 
 
 
 
アポロン
「――先生、それは私がやりました!」 
 
 
ディオニー「…えっ…?」 
 
アポロン
「犯人はディオニュソスではありません!このアポロンです!私がトイレで酒を飲みました!!」 
 
ディオニー「……!!」 
 
ゼウス先生「納得いかんな。模範生のお前が飲酒…?」 
 
 
ヘルメス「…先生、僕がアポロンをそそのかしたんです!
僕と、アポロンで、お酒を飲みました!!」 
 
アポロン(ヘルメス…!馬鹿、お前どうして…!) 
 
ヘルメス
(付き合うぜ、親友!) 
 
 
 
アレス
「――良くわかりませんが、俺も酒を飲みました!!」 
 
 
アポロン&ヘルメス「「!アレス…!!」」 
 
アレス
(俺抜きで祭り始めよーったってそうはいかないぜ!) 
 
ディオニー「お前たち…!!どうして…どうしてだよっ!?どうして俺の代わりに罪を…」 
 
アポロン
(今停学食らったら、出られないだろ?コンクール。…頑張れ、お前なら優勝できる!) 
 
ディオニー「…!!」 
 
 
ゼウス先生「…本当にお前たち三人が飲酒したんだな。停学処分になるぞ。分かってるんだな?」 
 
3人「「「はい!」」」 
 
 
 
ディオニー「………待って下さい…違います…。
違います!俺です!俺がやりました!!その三人はやってません!!」 
 
 
アポロン「!!馬鹿、どうして…!」 
 
ディオニー「…お前の言う通りだ、アポロン。友を大切にしない者に、『走れメロス』を演じる資格はない…」 
 
アポロン「!」 
 
ディオニー「…
『だが、まだ陽は沈まぬ!メロスが帰って来た!約束のとおり、いま、帰って来た!殺されるのは、私だ。メロスだ!彼を人質にした私は、ここにいる!』 
 
アポロン「…
『おお、友よ』…っ」 
 
ディオニー「
『ありがとう、友よ。ありがとう。』」 
 
 
ゼウス先生「…
『おまえらは、わしの心に勝ったのだ。どうか、わしをも仲間に入れてくれまいか。』」 
 
ヘルメス&アレス「「
『万歳!王様万歳!』」」 
 
ゼウス先生「
『どうか、わしの願いを聞き入れて、おまえらの仲間の一人にしてほし』……って、私を乗せるな。貴様の演劇に。」 
 
ディオニー「…ちっ!ダメかあ…」 
 
ゼウス先生「…「ダメかあ」ではないわっ。だがお前のその周りを巻きこむほどの演劇の才能。コンクールに出場させないのは我が校にとって大いなる損害になりそうだな。」 
 
ディオニー「え…」 
 
 
ゼウス先生「――貴様ら4人に処分を言い渡す。
罰として、トイレの清掃3カ月。停学はナシだ。」 
 
 

4人「「「「…やっったぁあああ〜〜〜!!」」」」 






・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
アポロン「――そんなこんなで、今思い返せば、この高校三年間、貴様ら3人には迷惑かけられっぱなしだった… 
 
理科の実験でヘルメスが悪戯に調合した『ネオ・BTB液』が爆発して走馬灯が見えたり。修学旅行で夜、旅館から連れだされたあげく、アレスのバカが道に迷って帰れなくなり、所持金もほとんど無く4人でラブホテルに泊まる羽目になったり―― 
 
『すげ〜このベット、グルグル回るぞ〜!アポローン来てみろよ〜!アハハ、アハハ〜』、 
『ヤバくね〜!?風呂場がガラス張りだぜ!キャー全部見えちゃ〜う!のび太さんのエッチー!!』、 
『このアメニティって持って帰っていいんですかね。』。 
 
――何度思い返してもはらわたが煮えくり返るわあのゴミ虫どもが…ッ!!…クソッ…散々な学生時代だった…!!」
 
 
 
 
ヘルメス「――卒業式だっていうのに何辛気臭い顔してんですか。ホラ、
さっさと貴方の制服の第3ボタンを寄こして下さい。」 
 

アポロン「――第3ボタン?何に使うのだ、そんなもの?」 
 
ヘルメス「『第一ボタンはライバルに、第二ボタンは恋人に、第三ボタンは親友に。』…常識でしょ?」 
 
アポロン「ほう。そうなのか。では第3ボタンはヘルメス、お前に。」 
 
ヘルメス「サンキュー親友!」 
 
アポロン「――ディオニュソス!お前には第1ボタンだ。貰ってくれるな?私の最高のライバルとして。」 
 
ディオニー「…フン、もちろんだぜ。」 
 
 
アレス「…って事は……
第2ボタンは俺にか…!?アポロン…お前、オレの事……」 
 
アポロン
「ふざけるな。第2ボタンは私自身にだ!!お前は第4ボタンでも持っていけ!」 
 
 
ディオニー「あ、あっちでグループで写真撮影してくれるってさ!!俺たちも行こうぜ!!」 
 
アレス「行く!行く!」 
 
 
ヘルメス「僕らも行きましょう。アポロン」 
 
アポロン「……」 
 
ヘルメス「……どうしたんですか?」 
 
アポロン「お前とは…よく話したよな。4つ離れた席だったのに…
授業中も糸電話でよく話してた。」 
 
ヘルメス「?ええ…そうですね。入学式の直後に作りましたもんね、糸電話。懐かしいですね。それが何か…?」 
 
アポロン「…お前も知っての通り…私は卒業後、海外の大学へ行く。」 
 
ヘルメス「…ええ」 
 
アポロン「………そうしたら…もう…今までみたいにはお前と話せないよな。糸電話で届く距離だったのに…もう…」 
 
ヘルメス「――アポロン、僕たちはもう大人になるんですよ。」 
 
アポロン「……そうだな、もう、こんな子供じみた事は言ってられないな…」 
 
ヘルメス「そうじゃなくて!!もう大人になるんだから、糸電話じゃなくて携帯電話を買って話せばいいことじゃないですか!!そうすれば例え地球の裏側でも話せます!!そうでしょう!?」 
 
アポロン「……そうだな。そうだよな。……
『ありがとう、友よ』。」 
 
 
ヘルメス「…いつでもどこでも、僕はあなたの最高の親友ですよ。」 
 
 
 
ディオニー「おーーい!!2人とも早く来なよー!!写真獲るってさ!!」 
 
アポロン&ヘルメス「「今行く!」」 
 
アレス「全員ピースな!ピース!!」 
 
アポロン「そんなバカみたいな事できるか…!」 
 
ヘルメス「みんな笑って!!」 
 
 
 
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 
・・・・・・・・・ 
 
・・・ 
 
「……ンの君、アポローンの君、アポローンの君!起きて下さい!」 
 
アポロン「……ん…?」 
 
ヘルメス「こんな所で寝てるとカゼ引きますよ。せめて神殿の中で寝たらどうです。」 
 
アポロン「…ん…神殿…?…ここはどこだ…?」 
 
ヘルメス「どこって…パルナッソス山のふもとですよ。」 
 
アポロン「あれ……あれ
私、オックスフォード大学に留学したはずでは…?」 
 
ヘルメス「あんた何寝ぼけてんですか。ここはパルナッソス山のデルフォイにあるあなたの神託所。あなたは光明神アポロン。分かります?」 
 
 
アポロン「そんな…まさか…っ今までのは…全部夢…!?ウソだろ!?ヘルメス、さっきまで私と一緒にピースで卒業式の写真映ってただろ!?」 
 
ヘルメス「はあ?」 
 
アポロン
「私立オリンポス学園の校歌、5番まで全部歌えるだろ!?ホラ、
♪我ら〜の青春〜♪あぁ私立〜♪私立〜オリンポス〜学園〜♪」 
 
ヘルメス「ずいぶん愉快な夢をご覧になっていたようですね。現実だと分からせるためにほっぺたを引きちぎって差し上げましょうか…」 
 
 
アポロン「…いや、分かった。夢だという事は良く分かった。だが頼む、お前の第3ボタンを私にくれないか!?
夢の中でお前に貰いそこなったのだ!」 
 
ヘルメス「第3ボタンも何も…僕の服にボタンは一つも付いていないのですが…。どうしてそんな物を?」 
 
アポロン「第3ボタンは親友の証らしい。だからだ。」 
 
 
ヘルメス「――親友の証なら、あなたと最初に会った時に差し上げたじゃないですか……
あなたが今手に持ってるその竪琴。それじゃダメなんですか?」 
 
アポロン「!!…いや、そうだ。そうだった。…第3ボタンよりも、ずっとこっちの方がいい。」 
 
ヘルメス「そうでしょうとも。」 
 
アポロン「…
『ありがとう、友よ。』 
 
 
ヘルメス「フン…。いつでもどこでも、僕はあなたの最高の親友ですよ。」 
 
 
アポロン「…ああ…そうだな。本当にそうだ…」 
 
 
♪ポロロ〜〜ン 
 
アポロン「♪我ら〜の青春〜♪あぁ私立〜♪私立〜オリンポス〜学園〜♪」 
 
ヘルメス「ちょっと、僕があげた竪琴で変な歌歌わないで下さいよ!――」 
 
 
 
 
〜FIN〜
 
 



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<追記>
これは、日記の方でおなじみの学友・黒川さんが、

「一度でいいから青春してみたい。」――と言った事に対する私の応答でした。

黒川「僕は、小中高大とずっと日蔭の青春を送って来ました。休み時間にすることといえば、読書、小説を書く、クラスメイトにからかわれる――この三択でした。
学校生活では
「女なんか滅べ」と思っていましたし、「親友」などは架空の存在であると信じていました。
だから、まさか大学院で、30間近にもなって、こんな楽しい日々が用意されているとは考えてもみなかった。

僕は、高校時代にやり残した青春…
”18度に設定したクーラーの中で、一晩中泊まりでバイオハザードや猥談や馬鹿みたいな話をして…朝が来てもまだ笑い合ってる。”

これを一度でいい――やってみたかったのです。
性別の違いがある以上、無理だと分かってはいるんですけど。」

  (2010年8月20日、21日、22日の日記、
  「黒川座談会再び!〜黒川誕生日記念…今夜は眠れない!  愛媛・横浜の熱い夜!〜)より抜粋。



――この黒川さんのささやかな願いを、どうにかして叶えたい、と思って書かせてもらったのが、これ!

「私立オリンポス学園!ギリシャ神話で青春しようぜ!!」 
 
アポロンやヘルメスが青春全開で学生生活エンジョイしてたら、黒川さんも青春した気分になるんじゃないか! 
そう思ってのギリシャ神話学園パラレルでした!!
 

ピタゴラスとか、第三ボタンとか、いくつか黒川に向けたギミックもありますが、 
普通に見て下さってる方にも楽しんで頂けたら幸いです!
 

――みんな、この夏はギリシャ神話で青春しようぜ!!



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2010年9月4日の日記、
「【前篇】学園パラレル・私立オリンポス学園〜ギリシャ神話で青春しようぜ!for 黒川〜

2010年9月5日の日記、
「【後篇】学園パラレル・私立オリンポス学園!〜ギリシャ神話で青春しようぜ!for 黒川

より一部抜粋、訂正。