――年に一度のクロノスの大祭。
この祭りの期間中は、全ての者の上下関係が入れ替わる。主人は奴隷に、奴隷は主人に。最も卑しい者は最も尊い者に、そしてその逆に。



ディオニュソス「ふーん、ヘルメスと取り換えっこしてんだ?面白そうだなぁー!じゃあ俺もアルテミスと取り換えてもらおっかなー!!」

アポロン
「お前はアレスとでもチェンジしてろ。」


…ただアポロンにケリュケイオン(伝令杖)を持たせたかった、というだけの一品!本当は羽つき帽子とか、羽つきサンダルとか、お財布とかも持たせたかったところ……だってアポロン、財布もお金も持ったこと無さそうじゃね!?

銅貨1オボロスの買い物に1タラントンを出して、

アポロン「これで足りるか?釣りは取っておけ」

ヘルメス
「ア、アポローンの君!!1タラントンは3万6千オボロスですッ!!

――って感じでヘルメスのお財布の中身をカラッポにしそう!!
そして
ヘルメスでさえ「飲まず食わずで長距離を移動するのは本当にキツい」っつってるほど過酷な伝令の仕事なので、
燃費が悪そうなアポロンじゃ、向かいのコンビニまでパシらされたくらいで飢え死にしそうです。

そうそう、伝令を「下々の者」と書いてしまいましたが、伝令(ケリュケス)という仕事は、ギリシャでは本来、名門中の名門貴族しかなれない超重要役職。条約締結権とかの大権もあるというかなりのお偉いさんです。
でも、ほら、
アポロンはアナクス(王子様)じゃない?

アナクス・アポローン(アポローンの君)からしたら、ケリュケス・ヘルメース(ヘルメスの使い)は「下々」かな
、ということで…ごめんね、ヘルメス!

クロノス。

そんなわけで、クロノスのお祭りは本当に面白そうですね。
「一日だけすべての上下関係を入れ替える」大貧民でいうところの「革命」みたいな!
ギリシャのある地方では、選ばれた奴隷の少年をクロノス神として崇拝する習慣までありました。クロノスは普段は最下層の奴隷に身をやつしてるけど、年に一度だけは「神々の王」になる、という。
最弱にして最強のカード!

そしてクロノスを打倒した連中こと、三界の王、ゼウス・ポセイドン・ハーデスはこの一日は頭から布団かぶって部屋から出て来れないレベルだろ。
本当に面白そう!!